あなたは必要とされているをうまく伝える。
結論の一つを言えば、他人を幸せにすることができる人は、自分自身が幸せであると感じている人です。食べたことのない料理は作ることができません。それと同じで自分が味わってもいない幸せを、他人に提供することなどできないのです。
つまり、あなたのお子さんが今は理解できなくても、成長する過程で「私はなんて幸せなんだろう」と感じられるようにすることが第一歩となります。
では、人はどう言う時に幸せを感じるのでしょう。
実は人間は他人から必要とされた時幸せを感じ、とてつもなく大きな力を発揮するのです。
例えば、あなたは誰でもできる仕事と、あなたでなければできない仕事の、どちらにやりがいを感じますか?
塾の講師時代にこんなことがありました。
その日、同僚の M 先生は午後7時から授業がありました。しかし、朝から体調がすぐれず微熱があったのです。昼過ぎまで様子を見て、もしも熱が下がれば授業を担当しようと考えていましたが、熱は一向に下がりません。
そこで彼は午後3時頃に会社に電話連絡をしてきたのです。電話に出たのは私。以下はその時の状況です。
「木下先生ですか M です。すみません、朝から熱が下がらないのです。今日の授業は誰か代わりの先生にお願いしたいのですが...」
「あ〜 M 先生大丈夫ですか、それはいけませんね。わかりました。今から代わりの先生を探してみます。無理しないで下さいね。」
私はそう言って受話器を置こうとうとしました。
その時学校が定期テスト中で、いつもより早めに登塾自習し、 M 先生に質問に来ていた E さんと言う中学2年生の女の子が、この会話を聞いており、カウンター越しに突然こ言ってきたのです。
「え〜今日 M 先生は休みなん!じゃあ M 先生の授業ないの?」
私は受話器を置く機会を逸し、彼女に返答しました。
「うん、熱があるんだって、結構しんどそうだよね。」
「ねえ先生、電話代わって!」
私は M 先生にその旨を告げ、Eさんに受話器を渡しました。 E さんはこの時 M 先生にこう言ったのです。
「先生、風邪引いたん、熱あんの?そうか〜だったらしゃーないな...」
「私な、先生の授業が楽しみなん。先生の授業が待ち遠しくって、今日もそれが楽しみで来たん。だから早く良くなってね!」
「はよ、良くなってまた授業してな!」
それだけ言うと E さんは受話器を私に返し、教室に戻っていきました。
私は引き続き M 先生と会話しようと受話器を耳に当てました。するとなんと彼は私にこう言ったのです。
「木下先生、私今日授業します。今からそちらに向かいます。大丈夫です!こんな微熱程度で休んでなんかいられませんよね。」
「頑張ります。ご心配おかけしました!」
言葉を返すまもなく電話が切れてしまい、私はしばし唖然としていましたが、しばらくするとなんだかポカポカ、暖かな気持ちに包まれてきました。
そうなんです。
この時 M 先生は、生徒である E さんから必要とされたのです。自分を待ってくれる人がいる、自分は必要とされている、人はそう感じた時に体中に力を漲らせ頑張るのです。
そして、時として辛いことにも耐えるのです。
どうぞお子さんに「あなたは必要とされている!」と感じさせてあげて下さい。
具体的なアプローチとしては
1あなたが生まれて来てくれて、お母さん嬉しいなあと言う、言葉をかけ。
2.その言葉をかけながら、スキンシップをはかる。抱き寄せ、抱きしめ、ほほ刷りキス。
3.注意する前に、まず子供の話を聞く。
4.注意する時には、必ず理由を添える。
の四つがあります。
いかがでしたか。
このエピソードは本当に納得できますよね。
どんなにしんどくても苦しくても、必要とされてるって言う事を感じたら、人ってびっくりするほど力を発揮することができます。
皆様は部下に対してどのような接し方をしてますか?
お子さんに対してどのように接していますか?
この事例ではないですが、本当に必要とされてるって言う事を感じた時、びっくりするほどのエネルギーがみなぎってくるって言うことは、あるのではないかなと思います。
私は年間300回、人前でお話をさせて頂いておりますが、38度 9度の熱はしょっちゅうありました。
時にはあばらにヒビが入ったり、小指が折れてたり、それでもハイヒールを履いて講演をやってましたね。
それは待ってくださる人、私の講演を懸命に聞いて下さるお客様の存在があるからこそ、熱があろうと、あばらにヒビが入っていたとしても、小指が折れてたとしても、そのステージに自分が立たなければ、誰が立つんだって言うようなマインドって、本当に恐ろしいほどの力を発揮させてくれるって言う事は、実体験で経験をしております。