毎週木曜日は、読み物の日としまして、書籍や雑誌、新聞などから見つけた学び、置き、エピソード、を朗読の形でご紹介させて頂きます。リスナーの皆様にとっても心に響く物語が見つかれば幸いです。 それではお聞きくださいませ。 自分に点数をつけるなら何点と師匠は言った。 今から遡ることを20年近く前、私は福岡から上京し商社で働くサラリーマン生活をしていました。一旗上げてやると周りには意気込んでいたものの、実際は連日続くパワハラに戦きながら、やってもやっても終わりの見えない仕事に追い込まれる毎日です。 おまけに、当時付き合っていた彼女からは「昔は輝いていたのにね...」の言葉を最後に振られ、身も心もボロボロになって意気消沈していました。 そんな日々の中いつも通り仕事を終えて帰る途中の道で、大きなショーウインドウに移った自分と目が合いました。彼女が言った通り、まだ20代前半なのにも関わらず、くたびれ果てた顔に曲がった背筋。「輝きを失ったね」そんな自分を見つめても悲しむ気力も流れる涙もなくて、ただその時に自分の頭によぎったのは、こんな人生ならもう終わらせた方が良いんじゃないかという気持ちでした。 そんなことを思いながらその場で立ちすくんでいると、見知らぬおばあさんがトコトコ歩いてきて私に向かって言いました。 「あなたは自分に点数をつけるなら何点?」 実はそれこそが一番最初に師匠から聞かされた言葉なのでした。 私の作家としての処女作、 「5万人を占って分かった、99%の人生を決める 1%の運の開き方」 の冒頭では「あなたはいつか占いをすることになるよ!」そう言われたのが、師匠との出会いの始まりと書きましたが、本当はその前に「何点?」と聞かれたことが最初のきっかけだったのです。 不意な問いかけに驚きましたが、とっさに口から出てきた言葉は「えっ?30点くらいなんじゃないですかね...」それも落ち込んだような表情だったに違いありません。話しかけてきたおばあさんは、マジマジと私の顔を見つめながら続けました。 「あなたのことを愛している人はいるの?」何を言ってるんだ、この人は! 「そりゃいますよ。母や兄弟それに友達とか...」 「そう...」その時、少し冷静になってなんだ!このおばあさんは一体何が言いたいんだ?そんなこと思いましたが、年寄りを振り切る力すら今の自分にはないんだなと思うと、また悲し...
あまり マイナスの話はしたくない私ではありますが、これはどうしてもシェアしておきたいなと思う事柄がありました。Voicyリスナーの皆様にお伝えさせてください。 10時30分ラストオーダーのお寿司屋さんに入った時のことです。 時間は10時10分、夜の10時10分。 そのタイミングに、ほんの少しだけビールを飲んでおつまみを頼んで、そして少しだけお寿司食べたいなと思って入りました。 「ラストオーダー10時半ですがよろしいですか?」 「はい、大丈夫です」 カウンター席に座らせていただきました。そしてビールを1本頼んで、おつまみを取って、そしてお寿司を食べて、気持ちよく最後の1日を振り返りながら非常に一人時間を堪能してたタイミング。 そのタイミング、私はカウンター席にいたということもありまして、厨房の中にいらっしゃる板さんが片付けを始めました。ボックス席にはまだまだたくさんお客様がいらっしゃいました。そしてまた次から次へと海外のお客様が入って来られます。その度にお断りをされていました。 そんな中、板さんが片付けるお姿があまりにも衝撃的だったんです。本当にショーケースの中にあるネタを、きっとそのネタは明日のお寿司に使うネタです。そのお寿司のネタをバットの中にバサ!バサ!バサ!と、まるで物を捨てるようにバットの中に入れ、そして音をガチャガチャと鳴らしながら片付けをするその様。 その時私は最後の締めの巻物を食べてました。冷茶お願いしたところ「有料ですがいいですか?」って言われたので「はい、結構です」ということで、有料で冷茶を頼んで、そして最後の締めの巻物を食べてる時、食べ終わった後にその方が 「今度はゆっくり来てくださいね」 とおっしゃいました。 私はその時、食べ終わった後に一言だけ、本来言うべきことではなかったのかもしれませんが、どうしても気になったがゆえに、そこの胸元にあった名札を見ながら 「〇〇さん、最後の片付けがあまりにも乱暴でびっくりしました。〇〇社長、悲しまれます」って言って、そして席を立ち、21年間通っていたお店っていうこともあって、レジには昔馴染みのお姉さんがいらっしゃったがゆえに 「最後の後片付けがあまりにも乱暴すぎて残念でした」 ていうことは、言葉に出させていただきました。 その店ができる前から知っていて、その店ができてからも社員と共に何回も行き、たくさんのエピ...