ホスピタリティと日本人の流儀 水を準備するのは、サービス。 どうやって準備しようかと考えるプロセスがホスピタリティです。 サービスとは何でしょうか? そしてその先に見えてくるホスピタリティとは何でしょうか? 例えばホテルで講演会や研修会の交渉をさせていただくと、今は演台にペットボトルとグラスが置かれます。 本日お水をペットボトルでご用意しております。 キャップを外して一杯注いでおきましょうか? それともご自分でされますか? 私は全国あちこちで講演をさせて頂いていますが、講演前にこう聞いてくれるホテルマンは100人に1人いません。 そういう時、私の方からホテルマンに声をかけます。 「申し訳ないけどキャップを取って一杯注いでいてもらっていいですか」と そうすると100人とも 「承知いたしました」と言ってやってくれます。 何を申し上げたいかと言うと、 指示をされたら誰でも出来る のです。 言われる前に自分から相手に一歩だけ寄り添い、 「今日はこの講師にどういう風に水を準備したらいいのかなあ...」と考えるプロセスがないのです。 水を準備するのはサービスです。 そしてそうやって準備しようかと考えるプロセス、このプロセスのことをホスピタリティと呼んでいます。 どちらも大事です。 全てのサービスはマニュアル化できます。 それに対してホスピタリティというのは、それを相手にどうやって伝えるかということですから、伝え方は100人のお客様がいたら100人とも違います。 ですから、ホスピタリティになった瞬間、マニュアルを一旦全部頭から消し去って、目の前の相手と向き合わなければならないのです。 相手を観察する力 創造する力 提案する力 そして表現する力 がホスピタリティには必要です。 相手と向き合った瞬間に出てくる言葉や態度が、その相手が一番求めていたものである必要があります。 これは簡単なことではありません。 例えばここに大きなカーテンが閉まっていて、カーテンの向こう側に3人の方が座っています。 その3人が皆様に 「ハサミを使いたいですが、貸してくれませんか?」と声をかけました。 それで皆さんは家で使ってるハサミを持ってきて 「ハサミの準備ができました。どうぞお使いください!」と声をかけました。 カーテンが開いたら、一人は交通事故で右手を失った青年でした。 皆さんが準備したの...
毎週水曜日は、リスナーの皆様からの質問にお答えするコーナーです。 仕事のことや、人生のことで 知りたいこと、悩んでいること お寄せいただいたご質問に、私の考えでお答えさせていただきます。 あくまでも、一つのものの見方、考え方の参考になれば幸せです。 さて、今日はどんな質問が届いてるでしょうか? ちょっと見てまいります。 お待ちください。 ペンネーム 、のんたん、女性からです 質問内容: 朝倉先生、こんにちは。 職場であった事です。朝倉先生のお考えを知りたくてご質問させてください。 ビジネスマナーの中の「多様性」についてです。 私は今生薬ではありますが製薬製造会社に勤めております。 我が社は新入社員教育時に、本社教育として様々な教育の中のひとつとして、ビジネスマナーの中で髪の色についても、色ナンバーを提示しながら教育を行っています。ここまで行うのは、主に営業職があるからだと理解しております。 その後、実際に勤務する各拠点で同じように、おさらいの意味でビジネスマナー教育はしています。(総務課教育担当者に確認) 今回2年前に入社された製造部20代前半女性が、5月連休明けから、突然金髪👱で出社しております。 総務課の教育担当者も認知しておりますが、「困ったものだ」で終わり、本人への注意には至りませんでした。 以前品質管理部所属の方は同様な状態の時は直属の上司がお話しされ、少し栗色気味になりました。 今なお金髪の製造部の方の上司は、「今は多様性の時代だから、そこまで言わなくても良いと思う。仕事は真面目で前向きによくやる子なのだから。製造部であり、社外の方との関わりがないところだし、髪色で仕事の仕方が変わるわけではない。あまり厳しすぎると働き手がいなくなるよ」という意見でした。 確かに、仕事を真面目に前向きに行っていれば、髪の色は問題ない!ということも理解できる部分ではありますが。 社規で決められてるものではなく、あくまでビジネスマナーとしての教育。という意見でしたが。 私は、古い考え方なのでしょうか?表舞台に立たない製造だから、多様性の時代だから、ビジネスマナーでの教育に沿わなくても良いという考えには同意できない自分がいます。 製造であろうと外部の方と接する部署であろうと会社の社員は同じだと考えます。 「多様性」の使い方も受け取り方も違うように思えるのです。 とは...