人であふれた駐車場 私は大学を卒業後、就職した会社をたった一日でやめました。 何のために働くのか、どうしてもわからなかったのです。 その答えを見つけるために、自分で会社をはじめました。 わからないながらも必死で働きましたが、何かがうまくいき ません。 いつも中途半端で、本気になれない自分がいました。 夢を持つことができないまま、ただ毎日を過ごしていました。 当時私は事務所のある会社まで、毎日車で通っていました。 近くの駐車場には六十を過ぎたくらいの、管理人のおじさんがいました。 「おはようございます、今日も天気でいい一日ですね」 おじさんはいつも明るい笑顔で、年齢に似合わずシャキシャキと仕事をこなして います。 ある日、駐車場についたら、外はひどい土砂降りになって いました。 困ったなあと車から降りられずにいると、おじさんが走っ てきました。 「傘忘れたんじゃない?これ持っていきなよ」 「でもそれっておじさんの傘でしょ?」 「私のことは気にしなくていいんですよ」 おじさんはいつもこんな調子で、お客さんのことばかり考えてくれる人でした。 駐車場は満車になることも多く、おじさんはいつも看板の前であやまっていまし た。 「満車です、申し訳ありません」 「やっと見つけたのにこまるんだよ!」 中には文句をいう人までいます。 「本当に申し訳ありません……」 おじさんはいつも車が見えなくなるまで白髪頭を下げ続けていました。 ある日、いつもと同じように車を止めようとしたとき、おじさんの笑顔がないこ とにきづきました。 「実は今週いっぱいでこの仕事をやめることになったんです」 「えっ!? どうしてですか?」 「妻が肺を患っているんです。空気のきれいな田舎で二人でのんびり暮らすこと にしました」 「これまで本当にいろいろお世話になりました」 そういっておじさんは深々と頭を下げました。 「お世話になったのはこっちのほうですよ……」 私は何ともいえない寂しさをおぼえました。...
毎週水曜日は、リスナーの皆様からの質問にお答えするコーナーです。 仕事のことや、人生のことで 知りたいこと、悩んでいること お寄せいただいたご質問に、私の考えでお答えさせていただきます。 あくまでも、一つのものの見方、考え方の参考になれば幸せです。 さて、今日はどんな質問が届いてるでしょうか? ちょっと見てまいります。 お待ちください。 ペンネーム 、のんたん、女性からです 質問内容: 朝倉先生、こんにちは。 職場であった事です。朝倉先生のお考えを知りたくてご質問させてください。 ビジネスマナーの中の「多様性」についてです。 私は今生薬ではありますが製薬製造会社に勤めております。 我が社は新入社員教育時に、本社教育として様々な教育の中のひとつとして、ビジネスマナーの中で髪の色についても、色ナンバーを提示しながら教育を行っています。ここまで行うのは、主に営業職があるからだと理解しております。 その後、実際に勤務する各拠点で同じように、おさらいの意味でビジネスマナー教育はしています。(総務課教育担当者に確認) 今回2年前に入社された製造部20代前半女性が、5月連休明けから、突然金髪👱で出社しております。 総務課の教育担当者も認知しておりますが、「困ったものだ」で終わり、本人への注意には至りませんでした。 以前品質管理部所属の方は同様な状態の時は直属の上司がお話しされ、少し栗色気味になりました。 今なお金髪の製造部の方の上司は、「今は多様性の時代だから、そこまで言わなくても良いと思う。仕事は真面目で前向きによくやる子なのだから。製造部であり、社外の方との関わりがないところだし、髪色で仕事の仕方が変わるわけではない。あまり厳しすぎると働き手がいなくなるよ」という意見でした。 確かに、仕事を真面目に前向きに行っていれば、髪の色は問題ない!ということも理解できる部分ではありますが。 社規で決められてるものではなく、あくまでビジネスマナーとしての教育。という意見でしたが。 私は、古い考え方なのでしょうか?表舞台に立たない製造だから、多様性の時代だから、ビジネスマナーでの教育に沿わなくても良いという考えには同意できない自分がいます。 製造であろうと外部の方と接する部署であろうと会社の社員は同じだと考えます。 「多様性」の使い方も受け取り方も違うように思えるのです。 とは...