私はオープン前の研修で話すことがあります。 「心を込めて」と言う言葉です。 私が牛丼の吉野家の時から使っている言葉です。 心を込めてやるぞ!とか、心を込めて焼くぞ!とキャストさんに伝えていたんです。 そして京都福知山野花店で、私にとって大切な出来事がありました。 オープンして2ヶ月後くらいの時に、閉店してから私はその日の売り上げを数えていたんですよ。すると表から「社長!たい焼きをください!って言ってるお客さんが来られてます...」とキャストさんから声がかかったんですね。 「いや〜もうしまっとるやろ、もうごめんなさいってお客様に言ってきて!」と私が言ったら、すかさずキャストさんから言葉が返ってきました。 「いや〜でもお母さんがもうすぐ亡くなられそうなんだそうです...」 それを聞いた私ともう一人のお金を数えていたキャストさんは、お金を置いてみなまで聞かず駆けつけ、厨房に入り窯に火をつけ、あんこを出しました。 「ちょっとお客さんをお通しして!」とお店に入ってもらいました。男性のお客さんだったんですけど「お母さんが膵臓癌で亡くなるんです...」と話をしてくださいました。 「死ぬ前に日本一たい焼きを食べたいと言われたんですよ..死ぬ前に...」 お客様は私がたい焼きを焼いてる間、お母さんとの思い出を語るんですよね。その話を聞きながら一周16匹のたい焼きを焼いたんです。 今思い返しても、あの時の16匹ほど心を込めて焼いたことはないですね。そしてこのお客様のお母さんの話を聞きながら、私は私の父に思いを寄せていました。 私があれだけ反発していた父は、平成17年に私が結婚する前に亡くなっているのです。私も父を膵臓癌で亡くしていたので、その目の前におられるお客様のお母さんとの話が、ずっと自分の父との思い出とつながっていたのです。 亡くなった父は自分の商売が終わる頃に、私の母に話をしていたそうです。ぜんざい屋さんを大分の湯布院で、ゆっくりお母さんとぜんざい屋さんがしたいなって。 ずっと厳しい父でした。自分勝手なところもある父でした。でも最後は母とぜんざい屋さんがしたいと思っていたのですね。 ぜんざいってあんこじゃないですか。なんか父が日本一たい焼きに導いてくれたのかなと言う気持ちを今になって常に感じますけどね。 男性のお客様にたい焼きを渡した後に、今回のことを本部に電話して報告しま
あまり マイナスの話はしたくない私ではありますが、これはどうしてもシェアしておきたいなと思う事柄がありました。Voicyリスナーの皆様にお伝えさせてください。 10時30分ラストオーダーのお寿司屋さんに入った時のことです。 時間は10時10分、夜の10時10分。 そのタイミングに、ほんの少しだけビールを飲んでおつまみを頼んで、そして少しだけお寿司食べたいなと思って入りました。 「ラストオーダー10時半ですがよろしいですか?」 「はい、大丈夫です」 カウンター席に座らせていただきました。そしてビールを1本頼んで、おつまみを取って、そしてお寿司を食べて、気持ちよく最後の1日を振り返りながら非常に一人時間を堪能してたタイミング。 そのタイミング、私はカウンター席にいたということもありまして、厨房の中にいらっしゃる板さんが片付けを始めました。ボックス席にはまだまだたくさんお客様がいらっしゃいました。そしてまた次から次へと海外のお客様が入って来られます。その度にお断りをされていました。 そんな中、板さんが片付けるお姿があまりにも衝撃的だったんです。本当にショーケースの中にあるネタを、きっとそのネタは明日のお寿司に使うネタです。そのお寿司のネタをバットの中にバサ!バサ!バサ!と、まるで物を捨てるようにバットの中に入れ、そして音をガチャガチャと鳴らしながら片付けをするその様。 その時私は最後の締めの巻物を食べてました。冷茶お願いしたところ「有料ですがいいですか?」って言われたので「はい、結構です」ということで、有料で冷茶を頼んで、そして最後の締めの巻物を食べてる時、食べ終わった後にその方が 「今度はゆっくり来てくださいね」 とおっしゃいました。 私はその時、食べ終わった後に一言だけ、本来言うべきことではなかったのかもしれませんが、どうしても気になったがゆえに、そこの胸元にあった名札を見ながら 「〇〇さん、最後の片付けがあまりにも乱暴でびっくりしました。〇〇社長、悲しまれます」って言って、そして席を立ち、21年間通っていたお店っていうこともあって、レジには昔馴染みのお姉さんがいらっしゃったがゆえに 「最後の後片付けがあまりにも乱暴すぎて残念でした」 ていうことは、言葉に出させていただきました。 その店ができる前から知っていて、その店ができてからも社員と共に何回も行き、たくさんのエピ