ある家庭での冬の朝の出来事。
出社するお父さんと小学6年生になる息子さんが、慌ただしく玄関で靴を履いていました。そこに洋服ダンスをひっくり返していたお母さんが、マフラーを持って奥の部屋から出てきました。
暖房の効いていない部屋で、彼女は長時間必死になって息子のためのマフラーを探していたのです。
「今日は寒くなるから、ほらマフラー巻いて行きなさい!」そう言いながら彼女は息子の首にマフラーを巻きつけました。
「わしには巻いてくれへんのか...」心の中でお父さんはそう思いました。
一方、首にマフラーを巻きつけられた息子は
「嫌や!鬱陶しい!こんなもん!!」といいマフラーを投げ捨てたのです。
「何言ってんの!巻かなくてもいいから、とりあえず持って行きなさい」
「うるさいなぁ...」言い合う時間もなかったので、仕方なく押し付けられたマフラーを手にした息子とお父さんは、家を出て駅までの道を歩き出しました。
普段あまりコミュニケーションを取っていなかった二人は、しばらく無言で歩いていました。
駅まであと僅かとなった時です。
お父さんが静かに、そして穏やかにボソッとこう言ったのです。
「お前そのマフラー、いらんと言っとったよな」
「お母さんが何でも前にこのマフラーを持たせたかわかるか?」
息子は黙って聞いています。
「お母さんがどんな気持ち、お前にマフラーを巻いたかわかるか?」
「お前にマフラーを巻いてくれる人が他におるか?」
「よう考えてみ」
「それでもマフラーなんかいらん!うるさい!と言えるか?」
「お父さん見てみ、マフラーないで!」
お父さんはカラカラと笑いました。そして続けてこう言いました。
「お前はええよな、愛されててな!」
「お母さんにはお前しか見えてへんのや、そしてそれでええのや!」駅が近づいてきます。
「これが母親というもんや!」
「お前だってな、ゆくゆく結婚して子供ができるわけや」
「その時、母親というものはそういうものやということを知っとけ!」
「人間も動物も同じなんや!母と子をつなぐ本能というものがあるんや」
「今それを鬱陶しいと思うやろ?けれどもお前も多分、わしと同じぐらいの歳になったらわかる!」
「今わからんでもええ」
「ただあの日あの時、こんなことお父さんは話したなあということだけは覚えといてくれや」
そう言い残して、お父さんは駅の改札へと消えて行きました。
息子は手に持ったマフラーをじっと見つめていました。
自分では鬱陶しいとしか感じていなかった母の好意の見えない部分を、父親から聞かされたことに衝撃を受けたのでした。
その時、木枯らしが吹き抜けました。
思わずブルブルっと身震いをした彼は、マフラーを首に巻き学校への道を急ぎました。
このような情景は、家庭でよく見かけるような日常風景ではないでしょうか。
愛情がお子さんに思うように伝わらないということはよくあります。
そのような時に、お父さんがちょっとだけフォローしてあげたら、子供の心にグッと突き刺さることもあります。
お子さんに「生まれてきて良かった!」と肯定的に捉えてもらおうとする時には、ご家族でお互いに、お互いの伝えたいことをフォローしあうということも大切なのです。
今回のこの話はできる子にする「賢母の力」 木下晴弘さんの書籍から抜粋したメッセージです。
情景を思い浮かべると、皆さんもこのような体験はありませんか。
母の愛ってやっぱり凄いですよね。
本当に息子に対する想い、娘に対する想い、子供に対する想い、も〜真っ先に子供のことばかりを考える。自分のことをさておいても、子供を第一優先にする母の愛。見えないところでつながっている、そんなお母様の存在ってありがたいですよね。
是非ともお母様の存在、お父様の存在、ご両親を大事にして下さいね。
親孝行にし過ぎはない!
改めて書籍を読ませて頂き、Voicyリスナーの皆様にこのエピソードをご紹介させて頂きたいなと思いました。
今回のメッセージをご紹介させて頂いて、改めて思ったんですが、子育ては最高の親育てだな。そして部下を通し、上司が成長するんだなーっていうことも感じました。
なかなかうまいようにいかない、思い通りにならない、思い通りにならないからこそ、悩むし苦しむし、どうすればいいんだろうかと思って、この悩んだ分だけ、信頼関係が構築されるんではないかなということをふと思いました。
上司が悩んだ分だけ、部下との関係性が構築される。
もっと言うならば、その関係が構築されなかったとしても、上司が悩んだ分だけ、これから先どうすればより良い関係性を築くことができるのか。
意を決し、部下に厳しいことを言わなくてはならない瞬間って、やっぱりあると思うんですね。
子供が親のことを理解できるのは、自分が親になってからだと思うように、やはり部下も上司のことは理解出来ないと思うんです。
きっと近い将来「上司・部下」っていうような言い方もなくなるかもしれませんが、リーダーとして、部下に対してどういう想いで接するのかっていう事って、やっぱり大事だなーっていうことを私は感じます。
無責任な上司
無責任なリーダー
ではなく
その時に嫌われても
その時嫌な顔されたとしても
未来のために、これは伝えなくてはならないということに関しては、やはり伝えるべきではないかなーっていうことを感じました。
親が自分のことを棚に上げて、子供に対して厳しくすることは、子供たちが大きくなった時に、社会人になった時に恥をかかないように、この子が立派な大人になりますようにっていう、そういう願いを込めて仕付けをしていくわけですよね。
そういう想いが部下との関係性、社員との関係性で繋がっていったら、素晴らしいことだなあということを、今朝は改めて感じさせて頂きました。
今回も素敵なコメントたくさんがあります。
是非、Voicyリスナーの皆様
最後までお付き合い下さいませ!
よろしくお願いします。