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慰めは自己満足!寄り添いは覚悟! 2025年12月17日


本日のVoicyでは、昨日のコメントの中でKM先生から「慰めと寄り添いの違い」についての質問がありました。 これ、いいテーマだなぁと思いましたので、改めて私の声でお話をさせていただきます。


あくまでもこれは私の考えですから、これが正しいとか、こうあらねばならないとか、こういう考えを持たなくてはならない、ということはちょっと横に置いていただいて、一つのものの見方、考え方として捉えていただけるとありがたいです。


結論から申し上げますと、「慰め」と「寄り添い」の違い。 これはもう、あくまでも私の考えですから、参考になるかどうかわかりませんが、お話しさせていただきます。


結論。 「慰め」は、相手の感情を早く片付けたい人がするもの。 「寄り添い」は、相手の感情から逃げない人ができるもの。


ここ、実は決定的に違うんではないかなと思うんですね。


慰めるということは、これちょっと角度を変えると、どこか上から目線。 「よしよし」って子供が泣いている時に、「大丈夫だよ、あなたは悪くないんだよ、よしよし」みたいな感覚ですよね。


寄り添うというのは、「伴走型」ですから、例えば子供が何かあったとしても、 「大丈夫、あなたはできる。しっかり見守るし、隣にいるからね」 というような意思表示の形を表すものではないかなと思うんですね。


寄り添うというのは、位置が「隣」ですよね。 ところが、この慰めは、なんとなく私のイメージですが、上から「よしよし」とやられているような感覚があるんですね。 ここが決定的に違うのではないかなと思います。


よく慰めている人を見ると、口ではこう言ってますよね。 「あなたの力になりたいの」 「元気出してほしい」 「これはあなたのためだから」 「そんなあなたらしくない」 「あなただったらもっとできるよ」って。


ですが、心の奥ではどういうことを思っているんでしょうか。 「この重たい空気がしんどい」 「いやー、泣かれると困る」 「何か言わないと冷たい人と思われる」 「助けられる、いい自分でいたい」 「この場をなんとかうまく収めたい」


ということは、自分の不安を消すために言葉を出している。 だから、「慰め」はほとんどが自己都合なのではないかなと思います。



ちょっと厳しい言い方ですが、大丈夫でしょうか。 慰めの言葉が、相手を実は一番追い詰めることがあります。 「大丈夫」 「元気出して」 「気にしない、気にしない」 「時間が解決するよ」 「もっと大変な人もいるよ」


どうでしょう。こういう言葉ってかけられたことないですか? 何となくですが、一見正しそうに感じますよね。 ですが、相手が受け取るのはどうでしょうか。


「その感情、もう終わらせて」 「それ以上、繋がらないで」 「今のあなたは扱いにくい」


そして、人はそこで何を決めるかというと、 「ここでは泣けない」 「この人の前で本音は言えない」 「弱さを見せるのは、やめよう」 結果的に慰めているようで、相手の心はどんどん離れていきます。



一方、「寄り添う」ということはどういうことでしょうか。 これは、相手の感情の隣に立つことだと思うんですね。 寄り添うという言葉は、きれいな言葉かもしれませんが、実際は甘くないです。


寄り添うということは、何も解決できない時間に耐えることです。 仮に沈黙が続いたとしても、逃げないことです。 相手がぐちゃぐちゃで、何を言っているかわからなかったとしても、それを自分勝手に整えようとしない。 何よりも、正論を持ち込まないことです。相手の人生を勝手に指導しないこと。


寄り添う人は、言葉を飾らないんです。 少ない言葉で、その人に本質だけを渡すことができます。 例えば、本当にしんどい時、苦しい時、辛い時、説教もされたくないし、例えば慰められたくもないですよ。 「辛かったね」 「そう感じるよね」 「今はそれでいいんだよ」 そして、待つんです。待てるんです。待てる勇気があるんです。


寄り添うということは、私たちの器が問われる行為です。



慰める人は、相手の感情を扱えないです。 だから、「前向き」にという名前の蓋をします。 「励まし」という名の圧をかけます。 「正論」という名の支配をします。


寄り添う人は違います。 相手の感情に巻き込まれない。でも、突き放さない。 このバランスは、人としての成熟がないとできないんです。 「いい人」を辞めないと寄り添えません。


ここ、めちゃくちゃ大事な本質です。 慰める人は、いい人に見られたい。 寄り添える人は、いい人に見られなくてもいい。


なぜならば、寄り添うとは「救った感」が出ない行為だからです。 拍手も感謝も結果も見えません。それでも、相手から離れない。 それが寄り添いです。


人を救うのは言葉ではないんです。 人は言葉では立ち上がれません。 「分かってもらえた」という体感で立ち上がれるんです。 そして、その体感は、言葉の量ではなく、姿勢と覚悟から生まれるんです。


誰かが辛そうな時、私たちは本当に相手のために話をしていますか。 それとも、自分が不安だから? いち早くこの場から解放されたいから、話していませんか? めんどくさがっていませんか?


その違いを見抜けない人は、どれだけ優しい言葉を知っていても、人の心に触れることはできません。 人を支えることができる人は、まずやることはただ一つです。


沈黙に耐えられる人になってください。 相手の感情を終わらせない人になってください。 相手の感情を「伴走」できるかどうか。 相手の感情を否定しないで、最後まで受け止められるかどうか。 いやー、途中で遮ることをしないで、最後の最後の最後まで待ってるかどうか。 ここ、自分自身の器が問われております。


KM先生、素敵な質問をありがとうございます。参考になればありがたいです。



改めて話をしてみて感じることなんですが、やっぱり慰めっていうのは、上から目線だなと思うんですよ。 自分の方が優位に立っているような気がするんですね。


寄り添うということも、同じような感覚かもしれませんが、自分が仮に未熟であったとしても、上手い言葉を述べられなかったとしても、その人が行く方向を一緒に見ながら、隣で伴走しながら見守ることができる。 私はやっぱり寄り添えるような、そんな人間になりたいなと改めて思います。


上から目線、「あれした方がいいよ、これした方がいいよ」、「これダメよ、あれダメよ」否定するんではなくて、 「あなたはどうしたいの?」 「あなたが行きたい方向に、私はしっかり見守るから、一緒に目的地に向かって歩こうね」 そういうことを言えるような自分になりたいなと、改めて思いました。


もう一度まとめますが、慰めと寄り添いの違いは、結論から言うと、 慰めは「自己都合」。 寄り添いは「覚悟」。


ここを間違える人は、優しさのつもりで人の心を黙らせているのではないかなと思います。


慰めとは何でしょうか。 相手の感情を早く終わらせたい行為。 重たい空気に耐えられない、自分を守るための言葉。 「元気出して」「大丈夫」が代表例。 相手の感情を否定、修正、整理しにくくしている。 相手は「ここで本音は出せません」と、心を閉ざしてしまいます。


では、寄り添うとは何か。 相手の感情から逃げない姿勢。 解決しない、励まさない、導かない。 言葉は最小限。「辛かったね」「そう感じたんだね」。 沈黙と未整理の時間に耐える。 結果、相手は「このままでいい」と自分を取り戻す。


決定的な違いは、 慰めは「いい人でいたい欲」。 寄り添いは「嫌われても、離れない覚悟」。


慰める人は、言葉が多い。 寄り添える人は、存在が深い。 人を支える力は、話し方ではなく「在り方」です。


人を救いたいなら、まずやることは一つです。 沈黙に耐えてください。 相手の感情を、終わらせにいかない人になってください。


朝倉千重子でした。


改めて思いますね。 「優しさ」が、人を傷つけていることがある。 人を救うのは言葉ではない。 沈黙に耐えられる人が、最後に信頼される。 人としての品格は、寄り添い方に出ます。 「いい人」を辞めた時、本当の「支え手」になるのではないかなと思います。 参考になれば嬉しいです。


おしまい。




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