Voicyリスナーの皆様、本日は「部下の成長の目を積んではならない」というテーマでお話をさせていただきます。
実はこれは、上司として、リーダーとして人を育てる立場にいる私たちが、一度は胸に手を当てて真剣に向き合うべき、大事な、大事な、大事なテーマだと思っています。
先日も「おとな美サロン」のおとな美ベースでハラスメントについてお話をさせていただきましたが、その種類の多さに驚きます。
とはいえ、無視はできない。今、時代は音を立ててどんどん変わっています。
昔の常識が通用するような時代ではないんです。
ですが、部下育成においては普遍的なものがあると私は思うんですね。
今回あえて「部下の成長の目を積んではならない」というテーマでお話をしたいと思ったのは、私自身がこの言葉の意味を深く学ばせてもらった出来事が、これまでも何度もあったからです。
人を育てるということは、簡単なことではないです。
子育てを通して親が成長するように、0歳児がいきなり10歳にはならない。
だからこそ、部下育成も実は同じなんですね。
それ以上に大事なことは、人の目を積んでしまうのは実はとても簡単なことなんです。
部下の成長の目を積んではならない。子供の成長の目を積んではならない。
実はここは似てるところもたくさんあります。ぜひとも最後までお聞きくださいね。
何気なく発している一言。
「そんなの無理じゃない?」
「あなたにはまだ早い。」
「あなたには出来っこないわよ。」
「失敗したらどう責任取るの?」
「そんなのお前には無理だよ。」
「お前にはまだ早い。」
「失敗したらどう責任を取るのか。」
そんなことを口に出してしまったり、心の中に抱いてしまったり。
時には、良かれと思って守るつもりでアドバイスをしているつもりでも、結果的に相手を深く傷つけてしまったり。
そんなことってありませんか。
私も振り返ったら、たくさんあったなと思うんですね。
ですが、その言葉を発することによって、相手に対する接し方によって、相手の中に生まれかけていた、何かをやろうという思いであったり、どんどんどんどん成長することにおいて、自信が芽生え始めていたり、挑戦しようという可能性であったり、夢を描き始めていたり、それを一瞬でしおらせてしまうことがあるんだということを忘れてはならないなと思うんです。
もしかしたらそれは、部下を指導しようと、仕事を与えている自分自身が怖いだけじゃないのかなと思うんですね。
自分を守ろうとする姿勢であったり、失敗した後の尻拭きをしたくないなという考えであったり。
ひょっとしたら、部下が自分より成長してしまうことも嫌だなと思ったり、期待以上に成長してしまうことによって、自分よりも先に出世をしたら困るなとか。
人間だから、いろんな感情があると思うんですね。
私もそうですよ。損をしたくないと思う気持ち。
そして「ケチとリンキ」は全ての人に宿る心。
ケチというのは損をしたくない。リンキはヤキモチを意味します。
無意識のヤキモチ。
相手が自分よりも成長速度が早かったり、このまま行くと自分を越されてしまうなと思った時に、無意識で抑えようとしてしまったり、可能性の目を積んでしまったり。
でも、それって本当にもったいないことだなと思うんですね。
部下が自分よりも優秀だったらどうですか。
自分よりも優秀な部下が自分の下にいれば、自分の部下という言い方は、ひょっとしたら自分の後輩が自分を超えて自分の上司になることもある。
そして自分以上に優秀な部下や後輩が、当然自分を超えてより高い地位、任務を担う。
ヤキモチを焼くこともあるでしょう。腹が立つこともあるでしょう。
ですが結果的に、それは会社の未来にとってプラスになることもある。
これもまさに「損の哲学」につながっていくのではないかなと思うんですね。
ヤキモチを焼いて人を飛ばしてしまったり、ヤキモチを焼いて人の悪口を言ったり、陰口を言ったり、相手の出世を妨げたり、それは本当に恥ずかしいことだなと思います。
人間だからこそ、やっぱりやってしまいがちなんですが、それをすることによって最終的に自分にいろんなとばっちりが出てくるのではないかなと思うんですね。
ダメ出しや制限、評価という形。
やっぱり自分自身が不安だからこそ、相手をダメ出ししてしまったり、制限を加えたり、評価してしまったり、そうしてしまうのではないかなと思うんですね。
そんな私たちの感情に巻き込まれて若い目を摘み取られてしまう部下の人生は、本当にたまったもんじゃないですよね。
部下は私たちの所有物ではないんです。あなたの評価を得るために生きているわけでもありません。
人は誰しも、自分の人生を生きているんです。
もしも私たちが無意識にそれをやっていたとするならば、今こそ自分自身に問いかけてみてください。
あなたは誰かに信じてもらった経験はありませんか?
あなたは誰かに守られた体験はありませんか?
あなたは誰かに救われた経験はありませんか?
私はあります。
私は株で大失敗して、借金を4000万円作ってしまいました。
その4000万円の借金を背負ってどん底だった私を、救ってくれた、拾ってくれた会社がある。
そして「あなたならできる」「君ならできる」と、負荷をかけて育ててくれた上司の存在がある。
本当に理不尽で、その時は「なんで私にこんなに」と思いましたが、後になって感謝ができることもあるんです。
何も始まっていないにもかかわらず、
「やめときなさい。」
「あなたには無理。」
「もっと現実を見なさい。」
そんな言葉を言われて、心がときめきますか。
きっと心がぽっきり折れてしまうのではないでしょうか。
だからこそ、相手を信頼する。信じて頼る。
いや、「外には信用、内には信頼」。信じて頼る。
最後の責任は自分が取ればいいわけですよね。
人の成長の目はとても繊細で柔らかくて、温かさと信頼がなければ育たないんです。
昨日も井上敬一先生の「新時代の戦略的コミュニケーション講座」を通して、学ばせていただきましたが、人は嫌いな人の意見なんて聞かないですよ。
自分を愛してくれる、自分を大事にしてくれる、信頼できる人からのアドバイスは聞こうとしますが、信頼のないアドバイスはただの干渉。
「お前に言われたくない」「あなたに言われたくない」「自分だってできてないじゃないか」と言って、批判的に捉えがちになってしまいますよね。
相手の未来を信じるのであれば、「それいいじゃないか、やってみよう」。
もしそれが違うなと思ったら、「他にどんな意見がありますか」「他にどんな考えがありますか」と言って、どんどん引っ張り出してあげる。
もちろん相手が失敗するかもしれません。
でも、失敗からしか学べないんですよ。
失敗から学ぶ力を育ててることができるのが、上司の仕事だと私は思います。
未経験のこと、苦手なことをやらせる。
やらせることによって間違いなく、うまくいかないこともある。
でもそれは、その体験を通して学ぶことができるんです。
パーツの仕事しか部下に与えない。
部下は成長しません。
だからこそ、未来を信じて、相手の成長を信じて、
「やってみよう。」
「やってください。」
「失敗してもいいと、失敗から学んでください。」
その失敗を責めるのではなく、「それも全部学びに繋がる」と言って、上司である私たちが言えること。
これが最も大事だと私も思います。
自分がかつてされて嬉しかったこと、今度はあなたが誰かにしてあげる番ではないですか。
そして、もしも、今思い当たることがあるなら、どうかもう一度だけ、
あなたのその正しさは、相手の可能性を押しつぶしていませんか。
あなたのその正しさは、相手の本当に心に届いていますか。
正しさより優しさ。
私はそう思います。
成長の目は、あなたの許可がなくても伸びるかもしれません。
ですが、私たちが相手に水を与え、そして見守ることで、もっともっと大きく美しく育つ可能性が出てくるんです。
組織の未来は、部下一人ひとりの未来の集合体なんです。
私たちの一言が、リーダーの一言が、私たちの何気ない一言が、未来のリーダーを作るということを忘れないでほしいです。
だからどうか、目の前の目を摘まないでください。
それはやがて大きな花を咲かせ、あなたの人生にも豊かな実りをもたらしてくれるんです。
今日は、「部下の成長の目を摘んではならない」というテーマで、少し厳しい言い方もありますが、ぜひとも心に留めていただけるとありがたいです。
毎日、この私のVoicyを聞いてくださっている皆さん、部下にとって信じてくれる存在であってくださることを、私は心から願っております。
部下はよく見てますよ。上司の在り方を。
部下はよく見てますよ。この上司には愛があるのかどうなのか。
「この上司は、調子いいな。」
「二面性があるな。」
「人を見て態度をコロコロ変えるな。」
「気分のムラが激しいな。」
「感情でしかるな。」
冷静に見ているのは部下です。
弱い立場の人は、しっかり見てますからね。
子育てを通して親が成長する。
部下を通して、上司が成長させてもらう機会をいただいているんだと心得、これから先も日々精進を重ねていけたらなと思います。
今日も最後までお聞きくださりありがとうございます。
Voicyリスナーの皆様、暑い日が続きますが、くれぐれもご自愛くださいませ。
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いかがでしたか?
まさにその一言が未来を閉ざす、ひっかけになることってありますからね。
部下の挑戦を止めない上司であるために、私たちは努力をしたいなと思います。
部下の目をつまずに伸ばす上司のあり方、考えていきたいですね。
育てるとは、待つこと、信じること。
部下の成長に必要なのは、評価ではなく信頼です。
私たち上司の器が、部下の伸びしろを決めます。
成長の目をつむ人、育てる人。
成長の目をつむ人はどんな人ですか?育てることができる人はどんな人ですか?
「できる」と言われた部下は、できる人になります。
私たちが何気なく発する言葉が、相手を育てます。
可能性は無限大。
私たちのその一言が、人生を大きく変える、部下の人生を大きく変えるきっかけになります。
部下の失敗を受け止める覚悟はありますか?
部下の目を守るのが、上司の責任ですよ。
成長の目は、優しさと覚悟で育ちます。
そして、その目が、やがて花になります。
部下に期待以上を引き出す言葉の力、上司が果たすべき、本当の役割とは何か。
こんなことを日々考えながら、実践行動をとれたらいいですね。
参考になればありがたいです。
20年間の経営者人生の中で、過去を振り返った時、私は必ずと言っていいほど、新入社員、中途採用で入ってきた新入社員の方々に、新しいイベントの責任者を任せました。
2007年の800人イベント、株式会社新開拓設立7周年イベント。
2011年の震災の年でしたね。その時も、新しい人材に責任者を任せました。
新人にそれを任せると、確実に新人は、先輩たちにいろんなことを質問し、知ろうとします。
会社の歴史、運営の在り方、そして指導育成を通して、部下が間違いなく育つんですね。
失敗も当然します。うまくいかないこともあります。
ですが、ものすごい加速的に成長するのは、責任者を任された瞬間です。
パーツの仕事では、人は育ちません。
だからこそ、任せる勇気も大事だと、私は思います。