【あさくらせんせい。20年続くということ:前編】
朝倉千恵子さん(朝倉社長)。
何度となくご紹介している、「学校では教えてくれないのに生きていくうえで必須の分野」の師の一人であり、価値観人生観を数えきれないほと教えられた最大の恩師です。
◆初対面。
ご本人(感覚としては"実物")との初対面は、2006年。帝国ホテル大阪での体験版セミナーでした。
著書を読み感動もした一方で、「いやいやいや。出版業界なんてチミモウリョウがチョウリョウバッコしてそうだし。ゴーストライターって言うの?ご本人を確認してみないとわからんしね」と、ちょっと内心で警戒していたのを覚えています。
プログラム終了後の名刺交換タイム。本の著者の方と会話するのは人生初体験。緊張の瞬間です。
「本日はありがとうございました。上質の落語を聴いているようでした」
「それは山下さんに感度、センスがあるから感じられたのですよ」
やわらかい笑顔と落ち着いた涼やかな声。低姿勢でおごったところが少しもなく、といって品格風格がある―。
『ステージを降りた後の素顔問題』は、「著名人枠」とでもいうべきすべての職業の人についてまわる、共通のテーマだと思います。
この人が心の底から「すごい!」と思うポイントは数えきれないほどあるけど、その一つが『一貫性』。いわゆるスイッチオフ、油断の瞬間がない。(※この点は、これまでに出会った全人類で最高度だと思う)
「今日はすごい人物と出会ったなぁ。優しくて温厚な素敵な人だったな」と、楽しく家路につきました。※後に一部勘違いであると判明
◆きっかけとなった著書との出会い。
人生ではじめて買って、繰り返し読み込んだビジネス書の中で、著者の方が引き合いに出し賞賛していたのが「朝倉千恵子さん」でした。
すぐ書店へ戻り、買って読んだなかに、こんなことが書いてありました。
「...初めて訪問する企業の扉があいた瞬間から、受付まではおおよそ平均7秒間。床面に見えない一本ラインを想定して歩きます。その際、男性の場合は、、、」
(『初対面の1分間で相手をその気にさせる技術』
目からうろこ、仰天、とはあの瞬間のことです。
「この人、仕事のプロセスをどれだけ細かく分解してるんだ!?」
細かさと、これでもかという具体的な記述。
営業マン向けの本で、「相手の話に耳を傾けましょう」「朝は早起きの習慣をつけましょう」「メモは必ず2回書き写しましょう」といった、「成功する50か条」的な、網羅性重視、読みやすさ重視(途中で投げ出させない重視)のものが少なくないなかで、ちょっと異常な本でした。
本を読む目的は、
①具体的な知識や技術を学ぶため
②感動を得るため(感動するため)
③精神的な生きるよりどころを見つけるため
の3つに大別されると考えていて、①の【具体的な】技術を学ぶ、にものすごく当てはまる本でした。
実地で試してみて、社外の方とお会いしたり、お客様企業へ訪問したりする際に、本で読んだことを検証してみる。
「使える・・・!すごい威力!」
考えてみれば、トップセールスかつ教えるトッププロ が書いた本なのだから、真似すれば成果が出るに決まってる。だけど このときは感動です。
ど真ん中ストライクで心を射抜かれ、この時点ですでにファン予備軍になっていました。体験版セミナーに申し込み、謎の人物"朝倉千恵子"に会いに行くことになります。【冒頭の初対面へ】
<おすすめ著書2点:好み思い出バイアスあり>
朝倉さんの著書は40冊にのぼります。"働く女性の応援団長"を基調としながら、さまざまなテーマ切り口でいずれも面白く学びになる中から、絞って2冊、挙げてみます。
誰が読んでも参考になると思うけど、特に組織で働くビジネスパーソンにおすすめです。
『コミュニケーションの教科書』
◇ポイント、特徴:
朝倉さんの魅力は、書籍→公開講演→クローズド研修、と進むほどに価値が深まること。こう書くとあたりまえのことに聞こえますが、著書→ご本人対面、のステップで期待と違うことだってあるものです。
そして、各ステップでの印象がそれぞれに変化すること。そのギャップが、クローズド/リアル研修の驚異的な破壊力を生んでいます。つまり、著書と、研修では印象や、学ぶ面が大きく異なる。しかし一貫性はある、という点が特長だと思っていました。
本著は読んでびっくり。これまで、クローズド研修で(のみ)聞いていたエピソードやコンテンツが、多くのページ数を費やして公開されています。関西弁風にいうなら、「おばちゃん(ねえちゃん)、どんだけ気前がええねん」と突っ込みたくなるところです。
別の言い方をすると、朝倉さんの本領は著作よりもライブ、ライブよりも研修だと思っていた(今でもそう思っている)。しかし同著は最もふんだんに、ディープな研修の内容が盛り込まれている一冊。
タイトルは「コミュニケーションの教科書」だけど、「マニュアル」や「法則本」ではない。本来の比喩とは違うけど、「生きた教科書」と表現したくなる。
◇補足:
ビジネス書、または書籍は、本質的に「著者の時間」を買っています。この「時間」は、著述する時間のことではなく、それまでの人生。その人の半生、つまり経験と知恵を抽出・精選された状態で買えて、2時間程度で読める。
それが1,500円程度で手に入るのは、"ワリカン"しているから。「情報」が複製できて劣化しない商品だからです。
コスト対効果の点では最も効率の良い買い物だと考えています。
『だから女は」と言わせない最強の仕事術』
◇特長、ポイント。
①網羅性がある。男性の上司、男性の部下、女性の上司、女性の部下、と、順を追って網羅している。
「男性or女性」×「上司or部下」、のような2つの軸、マトリクスで整理されると、ものごとがわかりやすい。
②「同僚」に言及している。「同僚」の2象限が加わって、2×3マトリクスの6象限になっている。
同僚からの嫉妬(その逆)、というのは普段あまり考えない、抜けていた視点、盲点だ。男性の比率の高いコミュニティに男性として所属している。気にする必要がない=恵まれた環境にいるからだと思いあたった。
◇おすすめする対象。
①働く女性。
フルタイムで働いているか、いわゆる正社員か、にあまり関係がない。「現在休職中で、復職について悩み中」「次の仕事を探している」という状況でも、参考になると思う。
朝倉さんは、おそらく本質的には"女性らしい女性" でありながら、父性的リーダーシップも併せ持つ人だと思う。"自在に操る"というのが正確かもしれない。しいて例えるなら、タカラヅカの男役トップスターに近いだろうか。
「男性的な思考、組織人的な視点とは何か」を、賛成・反対は別にして、知っておくこと。それも、同性=女性からのレクチャーで、大づかみでつかむことは、きっと役に立ちます。
②男性管理職。
男性の中間管理職がすくなからず当たる課題。自分がなんらかの責任を担う対象が、どう考え、どういう行動原理で生きているのかを知ろうとすることは、何も考えないよりずっと有効です。
男の「自分は上司として(女性の)部下から支持を得ている・まあまあ好かれている」は、7割方、「勘違い」(自己への過大評価)だと思ってまちがいない。「系統立った知見の獲得」と「どうにかして自己客観視」は、やりすぎることはない。
◇補足:
「男は/女は」は単純に分類しすぎかもしれないし、多様性を謳う現代には合わないかもしれない。だけどそれが言えるのは、まず男女性別バイアスを理解できてから。自分もバイアスにかかり得ると自覚をもってからだと考えています。
◆驚異のクロージング。
初対面から1年半ほど後、ふたたび体験セミナーに参加してすこし経ったある日のこと。携帯電話が鳴りました。知らない番号です。出ると、株式会社新規開拓のスタッフの方でした。
「先日は体験セミナーにご参加頂きありがとうございました。山下さんにぜひご案内したい研修がありお電話しました。5月の3,4,5日、三日間の営業力強化セミナーが開催されます。場所は名古屋です。日本全国がゴールデンウィーク、お休みだ【からこそ】、、、」
前のめり、真剣、迫力のクロージングでした。個人史上でも記憶に残る本題までの速さです。
忠実に『朝倉千恵子式』の手順を踏んで、それに持ち味オリジナリティを上乗せしたパワフルなトーク。(電話口から戦闘モードの荒い鼻息がきこえてきそうな迫力だった)
「こんな弟子(部下)を育てる人の本番セミナーなら、受けてみてもいいかなぁ」と(偉そうに!)考えて、「では申し込みます。よろしくお願いします」と答えた。
初対面での、やわらか・涼やか・まぶしい笑顔を思い出しながらのことです。
「でもどんなプログラムなんだろう。名刺交換とかお辞儀を詳しく教えてもらえるのかなぁ?」ぐらいに思ってたけど、参加して大きな勘違いだったことが判明します。
その後の、大きな人生の変化。
働く会社とは別に場、世界を持っておくことの重要性。
本当に価値のある情報は無料のネットには落ちてないこと。
エネルギーの高い場、純度の高い空気に触れることの意義。
本を読む→短時間セミナー参加→本格研修に参加、のサイクル確立。
自分より社会的評価の高い相手とどう関わるのか(手痛い失敗体験含む)。
そういったことが起こる、最初の分岐点がどこだったかと突き詰めていくと、このときの「Yes」だったと思う。
このとき鬼クロージングをかけてくださった、株式会社新規開拓 現・専務取締役 牧野紀子さんには本当に感謝しています。
(後編へと続く。)
たまたま見つけた記事だったんですが、もうこのFacebookの記事を見てびっくりしました。
山下拓也さんありがとうございます。
本当に初めてお会いした時のことも鮮明に覚えてます。
名古屋営業力強化セミナーで、初めて3日間の検証を受けてくれた時のことも鮮明に覚えてます。それから大阪営業力強化セミナー、名古屋営業力強化セミナー、何回受けてくださったでしょうか。いや、本当に素直な人って言うのは、実践行動に移し、確実に結果成果を出されますね。
私も専務取締役牧野紀子は12年間ソニーさんの役員秘書。営業未経験でありながら、初対面の1分間で相手をその気にさせる技術、その本を、この本だけでテレアポ、飛び込み営業、いろんな学びを経て結果成果は出してきた部下です。
教育業界において8ヶ月で4800万円の数字を上げた人は、後にも先にも牧野しかいないんではないかなと思います。本当にすごいんですよ。
しかも、例えばお客様に「今回のこの研修を受けて結果成果が出なかったら、私が坊主になります!」って言ったこともありましてね、
「坊主になりますって、あなた女性でしょ?」
「はい!それくらい自信があります!」
って言って私の研修、企業研修、講演会を売っていました。
一番、牧野が売ったのは15時間300万円プログラムです。
研修取るしかない!研修取らなければ、社長に会えない!と言うことで、名古屋で一人で頑張ってました。
その歴史があって今の専務取締役なんです。
歴史は嘘をつきません。
努力は裏切らないです。
最終的に何を行ってきたかによって、今が形成されている。
山下拓也さんの記事本当にありがとうございます。
皆様お読みいただけるとありがたいです。