本日のお話は、佐藤君という1人の男子生徒の物語です。
佐藤君が高校の卒業式の日、校長先生から呼ばれます。
「おい佐藤!卒業式終わったら俺んところに来い」
「なんだよ校長!最後の最後まで俺に説教するのかよ」
彼はその高校の中で、最も悪と言われていた札付きの不良でした。その佐藤君を校長先生は卒業式の最終日に呼びます。ポケットに手を入れながら、う〜んとふてくされた態度で校長室に訪ねてきた佐藤君に向かって
「おい佐藤!カーテン閉めろ」
「何でカーテンまで閉めなきゃいけないんですか?」
ブツブツ文句を言いながら、佐藤君はカーテンを閉めます。
「おい佐藤!そこに座れ」
校長先生は佐藤君に座る場所を指示します。
背もたれに背中を預けながら、足を大きく開いて横柄な態度で座った佐藤君に向かって、校長先生がこんなことを言います。
「おい佐藤!今日お前と会える最後の日だ。おそらくお前とはもう二度と会わないかもしれない。だからこそ、お前には言っておきたいことがある。」
「いいか佐藤、よーく聞け」
「俺は教師生活が長い。これまでいろんな生徒を見てきた。しかしお前は俺たちを苦しめてくれたな〜!お前のような悪には会ったことがない。だけどな、お前の生い立ちを聞いた時、俺は正直胸が痛んだ。実は俺もお前と同じ継母に育てられた。子供の頃はどうやって甘えていいかが分からなくって、ずいぶん寂しい思いをしたもんだ。」
「だからお前の想いは痛いほどよくわかる。だけどな佐藤、今のお前のその姿を草葉の陰で眠ってらっしゃるおふくろさんが見たら、どんな想いになるだろうか。」
この辺りから、佐藤君は校長先生の話を真剣に聞こうとします。校長先生は佐藤君に向かってこう言います。
「だけどな佐藤、俺は教師生活が長いからこそ、この先どういう生徒が大物になるかはよ〜く判る。」
「いいか佐藤よ〜く聞け!」
「お前は将来絶対大物になる!お前は将来絶対大物になる!お前は将来絶対大物になる!」校長先生は佐藤君に向かって、何度も何度も何度も言うんです。
佐藤君は涙をポロポロポロポロ流して、学生服で涙を拭って校長室を後にします。
そこにはお医者さん、弁護士、学校の先生、企業のトップクラスの方がいっぱい集まりました。そこで1人の男性がマイクを握りしめながらこう言います。
「皆さん、本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。」
「皆さんもご存知の通り私は学生時代随分悪でした。皆様にもいっぱい迷惑をかけました。ですが、今私がこうやって人前でお話ができるようになったのには理由があります。」
「僕は高校の卒業式の日に校長先生に呼ばれたんです。そして校長先生から”佐藤、お前は将来絶対大物になる!”と言われた。僕はこの校長先生の言葉だけを胸に、将来絶対大物になってやると心に誓ったんです。そして今では4000名もの社員を抱える企業のトップになることができました。」
「校長先生は、この話は誰にも言うなと仰いました。ですが、僕は今日この場を借りて、校長先生にお礼が言いたいんです。」
そのパーティー会場の一番後ろの席に、白髪の老人が1人ぽつんと座っていました。そこを見て彼は、ふかぶかと頭を下げたんです。
その姿を見てその話を聞いて、会場では割れんばかりの拍手が起こりました。そしてその拍手が止むや否や、
「えっ!俺も言われた!」
「私も言われた!」
「僕も言われた!」
ある時は運動場で、ある時は廊下をすれ違いながら、校長先生は一人ひとりの子どもたちに「お前、大物になるぞ!」
「お前、大物になるぞ!」
「お前、大物になるぞ!」
と言い続けたんですね。
その話を聞いて見事に大物になった生徒も生徒ですが、生徒一人ひとりに対して「お前、大物になるぞ!」と言い続けた校長先生は素敵だと思いませんか。
私は何百回、何千回話しても、この話は胸が詰まりそうになります。
自分の教え子とダブルんです。
「先生!僕できない!」
「私できない!」
「そんなことないよ、先生絶対手を離さないからね」
「百点満点取るまでテストだよ!」
こうやって子供たちと戦ってた日々を想い出すんです。
私の教え子はもう40代をとっくに超えています。
ですが、何か1つの事柄に着手した時に、簡単に諦めるような、そんな大人にはなっていないと、勝手に信じています。
人が期待された通りになるんです。
たった1人「あなたは出来るよ!」って言ってくれる人がいれば!
皆さんの周りにそんな人はいますか?
もしも皆さんの周りにそんな人がいないんであれば、私がその役を担います。
もしも皆さんの周りにそんな人がいないんであれば、皆さんがなってあげてください。
たった1人「あなたは出来るよ!」と言ってくれる人がいれば、人はその人の期待に応えようと努力します。
この佐藤君のお話は実話です。
初めて見山先生からこの話を聞かせて頂いた時、多くの感動を覚えました。
今日のお話が、Voicyリスナーの皆様のお役に立てればありがたいです。
人は期待された通りの人間になります。
たった1人「あなたは出来るよ!」と言ってくれる人がいれば
時にはそれは、親かもしれません。
時にはそれは、上司かもしれません。
時にはそれは、パートナーかもしれません。
誰がその言葉を発するか?
その言葉が持つ本当の意味が解った時、私たちはその言葉で、どれだけ救われるのかもしれませんね。
たった1人「あなたは出来るよ!」と言ってくれる人がいれば
佐藤君のお話は、いかがでしたでしょうか。
この佐藤君の話は、講演の最後のタイミング、企業研修の最後のタイミングに、よく受講生に向かって、またお客様に対してお話をさせていただいた内容でした。
1番「この話をしてください!」っていうリクエストが多かったのは、専務取締役の牧野紀子です。
「社長、最後は佐藤君でお願いします」名古屋営業力強化セミナー、大阪営業力強化セミナー、トップセールス研修、様々な企業様での研修や講演会の最後のお話は必ず「佐藤君でお願いします!」って言うことを牧野はいつも言ってました。
その影響があってか滋賀杏理、安福俊哉、中林寛貴、佐藤君の話、大好きです。
たった1人「あなたは出来るよ!」と言ってくれる人がいれば
「お前は絶対大物になる!お前は絶対大物になる!」
その言葉を発するたんびに、自分に言われてるように取り「絶対大物になってやる!」とうちの社員も心に誓ってるんですよね。
そう想うとありがたいなと思います。
牧野紀子は名古屋で1人で仕事をし、そして支店ができたのは、牧野がやる気があったからです。全く肩書きのない自分が、全ての肩書きを手にし、今は専務取締役。
「名古屋を本社を超える支店にしたい!」そういう風にずっと語ってました。
コロナ禍の後、私どもは丸ビルを撤退し、名古屋を本社にしました。
ずっと語り続ける夢は、必ず叶うんだっていうことも含めて、証明出来ている1つの実話です。
是非Voicyリスナーの皆様、是非とも「自分は出来る!」と信じ
諦めないでやり続けること
向き不向きより前向き
迷ったあら困難な道を選ぶ
やらない後悔よりやった経験を大事に
これから先も人生を豊かに
仕事をしてる時間が一番長いです。
寝てる時間が人生の1/3
仕事をしてる時間が1/3だとするならば
その仕事を楽しむことによって、人生の1/3が楽しみの時間になりますよね。
是非どうすれば、仕事を楽しむことができるのか?
どうすれば、周囲の方々と円滑な人間関係を維持継続できるのか?
そんなヒントになるようなVoicyのメッセージを、これからも発信していきたいなと思います。